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還暦リレー執筆(12・アンカー) 還暦所感

(2012.02.06 掲載)

還暦リレー執筆(12・アンカー) 還暦所感         

     

 川谷和也(22期)

 

最近、日本映画「ALWAYS3丁目の夕日'64」を観ました。このシリーズ三作目で1964年の日本の風景が人情味溢れるドラマと共に克明に描かれています。自分に置き換えると中学1年生の時、東京オリンピック一色の年でした。これを前後して新幹線や高速道路の開通、カラーテレビの出現など一気に世の中が変わっていったようです。

 

音楽も、ビートルズやベンチャーズのヒットもあってエレキギターがすごくカッコ良かったです。更に「若大将」加山雄三さんの映画にのめり込み、何が何でもエレキギターを持ちたいと思うようになります。でも高価で手が出ません。仕方なくアコースティックギターにマイクをつけて練習していました。でも楽しかった。完全に物が揃うより工夫しなが

ら本物に近づこうと仲間たちと智恵をしぼっていたからです。

 

カラーテレビも普及には至っていませんでした。これも高価でした。中学2年の時にNHKで「サンダーバード」の放送が開始され、精巧なイギリスのSF人形劇をカラーで観たいと、毎週日曜日の18:00は自転車で別府の国際観光港の待合室に通っていました。ここにはカラーテレビが設置されていて、チャンネルセットは公共放送のNHKだったからです。登場する主人公のユニフォームの色、災害救助に向う飛行機や様々な乗物の色を楽しみながら、毎回ワクワクしたものです。同時に命の尊さ、夢と冒険と科学、正義と思いやりを感じ取っていました。これは何も「サンダーバード」に限ったことではありません。

あらゆるメディアが同様のテーマを持っていました。高度経済成長の中で、忘れてはいけない人間の心の在り方が、常に映像や音楽の中に込められていたようです。

 

上野丘高校の時、「2001年宇宙の旅」という壮大なSF映画に出会いました。難解な部分もありましたが、当時のNASAや航空会社が想定する2001年の地球の姿が描かれ、宇宙旅行や目に見えない地球外生命体とのコンタクトなどすごい刺激を受けたものです。そして考えました「今が1968年だから、2001年は33年後。自分は今17才だから丁度50才になった時、こんな未来を経験するのかな・・・」。現実は皆さんもお分かりの世界でした。この映画や原作から学んだことは、どんなに科学が進歩しても、人間とは大自然の中で如何に小さな存在であるかということです。

 

還暦を迎えた年、日本は未曾有の災害を経験しました。世界各地でも大きな災害が起きました。地球規模で自然界が変化しているようです。

生まれてからこれまでの60年間で学んだこと、体験してきたこと、吸収してきたことが様々な事象や現実に対して何であったかを改めて考えます。

 

私たちの世代は、敗戦からの復興や経済成長のエネルギーに揉まれながら育っていきました。そして助け合い支え合う心、家族の絆、夢や希望を持つことの大切さ、心を潤す文化の素晴らしさを感じながら生きてきたはずです。何より命の尊さを学んできたはずです。

政治の混迷、社会不安、環境破壊など未来への歩みが難しくなった今こそ

 

私たちに出来ることとは何でしょう。

還暦を節目に問い質すべき課題だと思います。

 

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