大分県立大分上野丘高等学校同窓会ホームページ<公開版>

還暦リレー執筆(11)還暦所感

(2012.02.03 掲載)

還暦リレー執筆(11)還暦所感

 

河野光雄(22期、公認会計士)

 

平成24年1月2日の午後1時より還暦同窓会が開催された。その時に同級生で8年間闘病生活している友人に写真を贈ろうと仲間の一人がカメラを持ってきて、高校当時良く遊んでいた仲間と一緒に写真を撮った。しかし、写真を送る前の1月3日の朝に亡くなった。一度会いに行こうと大分の友人と話していたが、生きているうちに会えなかった。高校1年に同じクラスになり、3年でもまた同じクラスになった。東京に1年遅れで行った私は、彼の下宿に転がり込み世話になった。最後に会ったのは10年前であるが、葬儀場でお経を聞いていると高校時代や東京で遊んでいた時代が、走馬灯のように巡った。長い間会っていなかったが、高校時代の鮮烈な思い出は昨日のようであった。高校3年の時はあまり勉強が好きでない人の多いクラス(中には、勉強好きもいた)で、のんびりと過ごせ最高のクラスであった。上野丘高校は勉強の事を気にしなければ、これほど住みごこちの良い学校は無い。

 

還暦という言葉を聞いて、残りの人生を考えるようになった。それまでは、あまり過去の事を振り返らず、将来の事を考えてきたが、ふっと気付いたら残りが少なくなった。大分で生まれて、大分で死ぬことになるが、気になる事がある。都会と地方格差が拡がり、東京に負けている地方経済は、ますます厳しくなっていることである。地方経済を豊かにするという事は、現金をたくさん地元に循環させることである。観光事業、公共投資、工場誘致や地元製品の販売は、現金を地方に流入させることによって、地方経済を豊かにしようとすることである。しかし、流入を増やすだけでは豊かにならない。地方経済からの現金の流出を減らさなければ、いつまでたっても地方経済に現金が貯まらず、貧乏が続く。ところが、現実には、消費に直結している小売サービス業において、都会資本の大企業が自由主義経済の名のもとに、地方に大きな店舗を構え地方の現金を吸い上げていく。その結果、現金は循環せず、瞬時に消えて無くなる。

 

大企業は、雇用を創出し人件費を支払うことにより貢献しているというが、給料の高くない社員ともっと給料の低いパート社員であるため、地方に現金はほとんど落ちない。そして、売上現金の大半は都会の本社に送金され、都会で使われる。東京に本社のある店で買い物をすると、人件費の分配額の一番高いのは本社であるから、小売による付加価値額は、東京のものになる。また、社長が自宅を新築しても、飲みに行くにしてもすべて東京のものである。それに比較して、その地元に居住し納税地がある社長の店で物を買えば、社長は儲かる。儲かれば、多くの地方税が納税され市や県の財政も豊かになり、社会資本充実や行政サービスも向上する。また、自宅を新築する場合は、地元の建築業者に頼み、飲みに行く場合でも地元の店となるため、現金が地元で循環し皆が豊かになる。つまり、地元に入った金は、地元民、地元企業や地方公共団体が一体となって、都会に現金を吐き出させないようにしなければならない。そうすれば資金が地元で循環する。

 

自由市場経済の中では、各個人の消費行動は自由である。しかし、住んでいる地元が良くなることを少しでも願う気持ちがあるならば、地元貢献と考え、地元(社長の住所が地元)の店で買い物を行う。地元は、地元で守る必要がある。貧しい地元民は、ここはひとつ田舎者の一致団結力と粘りの根性を都会人に見せ付ける必要がある。

 

還暦所感 河野ph.jpg 

(写真左端)