大分県立大分上野丘高等学校同窓会ホームページ<公開版>

還暦リレー執筆(9)  還暦所感

(2012.02.01 掲載)

還暦リレー執筆(9)  還暦所感

 

後藤泰幸(22期)

 

22期の還暦同窓会がお正月二日に催された。先輩方の還暦同窓会の話題を耳にしながらも、我々の番はどこか来ないようにすら思っていた。

大分在住の友人達は比較的付き合いも多く年月がお互いを変化させて行く姿にも気付かずにいたが、卒業以来始めて会う事になった友を見て初めて自分の今居る場所を知る事となった。しかし、ひとたび話を始めると一気にその時代のその同級生の顔が重なってくる。我々の育った時代はまだまだ貧しかった頃のしっぽが残った時代だった。携帯電話やITなど想像すら出来ない夢物語。東京に暮らした頃は、渋谷ハチ公前で待ち合わせに失敗し日曜日を一日棒に振った事すらあったのだから。只、振り返っても不便な事は多かったが心豊かな日々だった気がする。  

     

その後の日本は一気にGDP世界第二位を誇る近代国家に駆け上がり世界を驚かす。GDPこそが国と国民を豊かにし、幸せに導く答えであったかのように。

 

昨年末ブータン国王夫妻がお二人の新婚旅行の訪問地に日本を選ばれ来日された出来事はまだ記憶に新しい。青年ともいえる容貌、終始穏やかな笑顔で各地を訪問する姿はTVニュースで持ちきりとなった。ヒマラヤの麓にあるブータンは人口70万人、GDPは日本の百分の一、国民総幸福量(GNH)という言葉を始めてメディアで知った。「ゴ」という着物に似た国民服を纏い穏やかに暮らす現地の人々の様子がTVで繰り返し紹介された。交通信号機は見栄えが悪いとの理由で大きな交差点では警察官が手信号、国内に信号機は一つも無いという。我々の子供の頃を思い出すような、なんとも懐かしい穏やかな自然と人々の表情。長い間しまい込み忘れていた物を見つけたような気がした。

 

高校時代の不勉強が今の自分を造ったことの言い訳はしないが、建設業界の隅で生きて来る中で次第に目標が霞んで来たのは老眼のせいだけでもあるまい。

 

さしたる実績も、まして財を成すことも出来なかったが、子供の頃の僅か3年間大分上野丘高校に在籍していた事が、私にとって大きな財となっていた事を知る自分が今は居る。友人達の中には納得いく成果を基に第二の人生をスタートさせた人も少なくない。そんな今、我が身を振り返った時様々な面で達成感には程遠いが、還暦の名の如く一度立ち止まり人生設計をリセットして見る必要もあるかもしれない。

 

還暦所感 後藤ph.jpg 

(写真:2次会にて左から二人目)