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還暦リレー執筆(7) 「ゆく河の水の流れは絶えずして」

(2012.01.30 掲載)

還暦リレー執筆(7) 「ゆく河の水の流れは絶えずして」

 

管 亮善(22期)

 

子どもの頃の祖父の還暦祝いをぼんやりと覚えています。まだ幼稚園に上がる前だったでしょうか。赤い綸子のちゃんちゃんこに赤の頭巾姿は、遠い記憶の中で本当におじいさんだったような気がします。その歳に自分がなったことへの感慨と共に、一抹の寂しさを感じています。

 

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人なり」懐かしいなあ、田辺先生の授業。六十年という月日を改めて振り返ってみると、たくさんの出会い、つらい別れ、幾多の喜び、数えきれない挫折が、記憶の海の底から次々と浮かんでは消えていきます。還暦を迎えても日々の暮らし

に追われる毎日ですが、でも、つまるところ幸せな人生と言えるでしょうね。よい出会いに恵まれ、また信頼した人に裏切られた経験がありませんから...。

 

大学卒業の頃の世の中は石油危機の厳しい環境でしたが、その時代を乗り切ると80年代はパックス・ジャポニカとも称される経済発展を遂げ、バブルに向かってひたすら成長を続けていきました。今考えると仕事も生活も、そんな環境の中で漫然と生きていたように思います。

いつも悔やまれるのは、学生時代の勉学をおろそかにしたことでしょうか。随分前になりますが、ダニエル・ゴールマン「こころの知能指数」という本を読んだ折に、自分には内省的知能(特に自己制御)が大きく欠落していることを自覚し、不勉強だったこともむべなるかなと妙に納

得したことをよく思い出します。

 

20代後半に帰省して、以来三十数年間、22期同窓会のお世話役を務めてきました。卒業記念同窓会はこれまで、20周年、30周年、30周年記念旅行、40周年記念旅行、今回の還暦同窓会、と実行してきました。その都度みんなが「大変だったね」と労をねぎらつてくれます。

何故こんなに長く続けて来られたのだろうと自問してみるのですが、敢えて言うなら好きだから...としか答えようがありません。在学当時の同級生には本当に優秀な人が大勢いましたし、今もたくさんの仲間が周りで私を支えてくれています。また全体同窓会の活動を通じて多くの先輩

後輩の知己を得るほどに、上野丘の卒業生ってすごいといつも感心してしまいます。この素晴らしい仲間をつなぐ...そんな自分の役割がうれしい...そんなことかも知れません。

 

「還暦は人生のリスタートライン」という表現をよく耳にしますが、その都度違和感を覚えます。精神的にはまだ「老い」を自覚することがないからでしょうか(身体的には結構ボロボロなんですが)。 十代の娘がいることも影響しているのかも知れませんね。今年は新たなチャレン

ジを始めます。元気横溢の先輩たち(特に20期の方たち)にインスパイアされ、人生まだまだこれからと感じています。

若い頃の遅れを取り戻さなくては!!

還暦所感 管ph.jpg (写真は卒業40周年旅行 奈良東大寺にて 中央)